前回の施術からちょうど2カ月が経ったころ、Yさんから電話がありました。
4~5日前よりまた痛みとシビレが出始めたようです。
今回は、左臀部(でんぶ)の梨状筋(りじょうきん)の痛みと左ふくらはぎの痛み、そして前回同様に左足裏のシビレです。
不安になったYさんは、再び整形外科を受診したところ、
腰椎2番の圧迫骨折が見つかったそうです。
いつ起こったかは不明だそうで、医者が言うには、
「この痛みやシビレは圧迫骨折が原因ですよ、圧迫骨折によくある症状です」ということでした。
ここで画像をご覧ください。
この画像は圧迫骨折のMRIサンプル画像です。
脊椎圧迫骨折の主な原因は、【骨粗しょう症】とされています。
骨粗しょう症は高齢者に多く見られる病気で、骨密度が低くなって骨折を起こしやすくなります。
骨がもろくなると、ちょっとした転倒でも背中への衝撃に耐えられず、脊椎がつぶれてしまう原因にもなるのです。
脊椎圧迫骨折の主な症状は、
・寝返りを打ったときや、起き上がったときに感じる背中の激しい痛み
・背中のほか、腰の部分に痛みが及ぶこともあります。
一方で、骨折をしても痛みを感じない患者さんもいます。
このMRIサンプル画像の場合、
腰椎の椎体(ついたい)や椎間板はつぶれていますが、脊髄神経を強く圧迫するほどには至っていません。
脊柱管(せきちゅうかん)の白く見える部分をよく神経だと誤解される治療家がいますが、これは髄液(ずいえき)と呼ばれる液体です。
ここで先ほどの医者の言葉によれば、
この脊髄神経の圧迫がYさんの足裏シビレやふくらはぎの痛みの原因ということですが、脊髄神経が圧迫されてでる症状は麻痺です。
その他、排尿障害や性機能障害などが出る場合もあります。
仮に腰が痛む場合、それは周囲の筋肉の緊張が原因です。
神経や血管は筋肉の中を通ったり、筋肉と筋肉の間を通っていますが、筋肉の緊張によって、神経や血管が圧しつぶされることで発症します。
Yさんの場合、幸いにして腰痛は出ていませんので、今回は圧迫骨折とは直接関係ないでしょう。
前回と同様に足首に原因がありました。
興味深いことに、足のある骨と骨の噛み合わせを矯正するだけで、左臀部(でんぶ)の梨状筋(りじょうきん)の緊張が取れたのです。
これは長年の施術経験で新しい発見でした。
ふくらはぎの痛みは脛骨(けいこつ)と腓骨(ひこつ)の間が開いてしまったことによるものです。
これも原因は足にあります。
つまり、履物や履物の履き方が悪いために起こります。
Yさんにお尋ねしたところ、前回のアドバイスをどうやら実行されていないようでした。
よく根本治療を売りにした治療広告をみかけますが、
患者さんの『気づき、学び、克服する努力』がなければ根本解決には至りません。
施術を終える頃には痛みもシビレも無くなりました。
Yさん、今度は頑張って改めてくださいね。
しかし、適当な医者が多いのは困りものです。
患者は一介の施術家より医者の言葉を信じるものですから、より罪深いものがあります。